「しんぼる」を観てきました。
日本映画は原則、劇場では見ないのですが、同じ尼崎出身として応援の意味を込めて「大日本人」に続いて足を運びました。残念ながら、この内容では厳しいと思わせるものでした。
いま振り返れば、大日本人もそうだったのですが、途中で飽きてきます。大日本人の時は、『松ちゃんが投げ出した』と評したのですが、本作でわかったのは、自分=見る側が飽きてきたということでした。
松本人志らしい笑いを追求したいのか?独自の映像世界を表現したいのかが最後までわかりませんでした。おそらく両方ともやりたかったんだと思いますが、どっちつかずになってメリハリがなくなってしまいました。
途中までホント面白いんですが、例えば、脱出方法を「アメラカンコミック」ばりにみせるくだりがあります。お笑い番組やバラエティーはウケたくだりを何度も繰り返して引っ張りますが、映画でそれをやられてしまうと飽きてしまいます。(引いてしまいます。)
改めて、パンフレットを見ると、製作側にダウンタウンの番組に絡んでいるスタッフ(高須光聖氏、倉本美津留氏など)が名を連ねていました。思うに「監督」に誰も意見できない状況になっているんでは?と想像してしまいました。あとは、大日本人の製作時の経験が活きておらず、結局、テレビ番組を作るノリで作ってしまったのではとも思いました。だから、テレビの尺の1時間を越えてから、見てる側が飽きてくるのかもしれません。
敢えて言わせてもらうと、「笑わそう」という欲を捨てて、映画生活に挑んでみれば、よくも悪くも比較される北野武監督のようなオリジナリティの高い作品になるのではないでしょうか?
コメディタッチの北野監督作品の評価があまり芳しくないことに終わることからわかるように、自分から進んで「笑い」を封じることで映画人として一段高いところにあがっていけるのかもしれませんね。
えらそうにも厳しいことを言ってしまいましたが、「松本監督」には「第3弾」にもあきらめずにチャレンジして欲しいと思います。
作品の評価:
しんぼる(佐藤秀の徒然幻視録)
映画:『しんぼる』レビュー(偏見映画批評)
パンフレットの評価:★★★(写真もそこそこ。出演者のインタービュー記事アリ。作品に見合ってないのが残念)
縦700円
しんぼる
公式サイト。松本人志監督、主演。これほど何のためらいもなく「これはひどい」と断じられる映画はないのではないか。一人コントすら退屈で全然おもろない。
映画「しんぼる」
監督:松本人志(ごっつのコント大好きでしたけどね)
出演:松本人志(あの叫び声。きつい)デヴィッド・キンテーロ ルイス・アッチェネリ
出演:リリアン・タビア アドリアーナ・フリック カルロズ・トレーズ
パジャマ男がふと目を覚ますと、白い壁に囲…
しんぼる
ダウンタウンの松本人志が前作『大日本人』に続いてメガホンを取った監督 2作目。 白くて天井が遥かに高い部屋の中で目覚めた男が、部屋から出ようとして いろいろ試行錯誤する様を描く。メキシコのとある町で暮らす覆面レスラーのエスカルゴマン。 彼はいつも..