普段、日本映画は劇場で見ないのですが、亡国のイージスは110万部を超えるベストセラーの映画化ということと主役級の4人の豪華キャスト(真田広之、佐藤浩市、寺尾聡、中井貴一)ががっぷりと組み合うということで、楽しみにしていた作品であり、初日に観てきました。
原作を読んでいないので、何ともいえませんが、想像するに、原作では、各登場人物のサイドストーリーが描かれていて、「いそかぜ」内で取る行動の礎となっていると思われるのですが、 各登場人物のサイドストーリーを映画で強引にかつ中途半端に挿入するあまり、ストーリー展開がぶつ切りになっている印象を受けました。それでいて、人間ドラマに仕立てようとしていると思われる意図が感じられる割には、2時間ちょっとの間で個性が立っている登場人物ととそうでない登場人物がいるために、ストーリーに深みがないように思いました。
そのせいか、もうすぐ東京壊滅という切羽詰った状況の割には、不思議と緊迫感が沸かないのです。洋画ではこのような危機を描いた映画では必ず緊迫感を感じるのですが・・・。
映像より人間のコミュニケーションで「危機」を表現しようとしたからかもしれません。
製作側が自衛隊から全面協力が得られた時点で「おなかいっぱい」になってしまったかもしれませんね。
原作にあるのかないのかもわかりませんが、イージス艦が「敵」に渡ってしまったときの凄さ(イージス艦の防衛力)をきちんとした映像で伝えればよかったのかもしれません。
フォローするのであれば、おそらく、この原作を映画で描くには2時間ちょっとでは足りなくて、3時間程度あれば、少しは形にはなるのでしょう。ただ、3時間という上映時間は興行的な絡みも出てくるので不可能なのかもしれませんが。
それにしても、パンフレットが1000円とは高すぎる!
しかも、必要のない台本を掲載しての1000円で何を考えてるのかといいたい!
熱狂的ファン以外は間違っても買わないように!
福井晴敏や亡国のイージスのファンの方なら、1日の映画の日なら観てもよいのではないでしょうか。
原作を読破した方は消化不良な感があるかもしれません。
最後に日本映画は当分劇場では観ないかもしれません。トラウマになりそうです。
参考:
亡国のイージス公式サイト
福井晴敏オフィシャルサイト
亡国のイージス@映画生活
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